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Kaizen PlatformのCEOのブログです

シリーズBで$8Mの調達をしました

本日リリースしましたが、Kaizen PlatformはシリーズBで$8Mの資金調達を実施しました。(詳細は、こちら

 

今回ご一緒させて頂く投資家の皆様、並びに既存投資家の皆様、改めて宜しくお願い致します。

そして、お客様、パートナーの皆様、グロースハッカーの皆様、今回の資金調達でさらなるプロダクトの強化を実施してまいりますので、ぜひご期待頂ければと思います。

そして、何よりも一緒に仕事をしてくれている仲間の日々の積み重ねに心から感謝したいと思います。

いただいた期待をさらなる成長へ変えていきたいと思っています。

 

さて、スタートアップにはドラマが沢山あります。

今回の資金調達にも沢山のドラマがありました。

笑ったり、泣いたり、眠れない日々があったり・・・

ただ、改めて考えさせられたのは、なぜ自分はこの事業をやりたいのか?という、ある意味、原点に立ち返っていくような、そんなことでした。

 

Kaizen Platformは、A/Bテストをクラウドソーシングで手間なく簡単にしたいということから始まりました。

ただ、はじめてみるとそれは奥が自分たち自身が想像していたよりもはるかに奥が深いプロセスでした。

 

デジタル時代の経営はオープンソース的になる

 

昨年の末にKaizenのブログに書かれた記事がKaizenの創業当時に考えていたことを思い出すきっかけになりました。

jp-blog.kaizenplatform.com

 

会社をつくった時に、これからの経営において重要なキーワードになるなと思っていたのは、

  •  Plan(計画)よりも、Execution(実行)に価値がシフト
  •  実行の源泉はidea、個人のideaこそが価値の源泉に
  •  ゆえに人的資本は、時間の拘束から才能の活用へ

ということでした。

 

何をするか?より、どうそれを実行するか?が価値を左右する時代。

MicrosoftAppleGoogleAmazonFacebook、そしてAirBnBやUberが今台頭してきてますが、変化の激しいデジタルの時代において大切なのは、何をするか?という計画よりも、どう実行するか?という具体的なExecutionに相対的な価値がシフトしてきています。

 

TOYOTAやFordなど製造業やエネルギープラント、半導体など、工場などの設備投資が重要な装置産業は、計画が重要です。

長期の需要を見据えながら、何をするか?の計画にしっかり時間とお金をかけていかないと経営として大きなミスを犯してしまいます。

一方、デジタル時代の経営は、一部を除き、巨大な設備投資がかからないため計画の下流にあたる実行フェーズに価値がシフトしています。

実行する際のアイデアの重要性が相対的に増しているというわけです。

 

検索エンジンをやることよりも、それをどうやるか?

SNSをやることよりも、それをどうやるか?

ライドシェアリングをやることよりも、それをどうやるか?

が重要性を増してるわけです。

 

だからこそ、実行するフェーズで活躍する個人のアイデアこそ重要だと思ってきました。

 

そして、僕自身もKaizenをつくった時に、

・リモートワーク

・時間的な管理をしない

などにこだわってきたのは、人の創造性は管理できないと思っているからです。

 

人のアイデアや創造性を、会社は独占できません。

むしろ勝手に溢れてしまうものだから、どこかで自然と発揮してしまうものだと思うんです。

僕は、実行するアイデアこそ新しい才能だと思っています。この新しい才能は、残念ながら世界中に偏在しています。自分たちのビジネスに、すごく有効な才能は、分かりやすい形で集中していないのです。

 

自分の周囲にいるとは限らないです。

その証拠にKaizenの従業員の9割は、僕が一緒に働いたことのないメンバーです。

事実として、自分がこれまで出会うことがなかったメンバーのアイデアが実行され、今のKaizenをつくっています。

 

イデアは陳腐化しない、磨かれる

じゃあ、そのアイデアは陳腐化していくのでしょうか?

 

Kaizen Platformで年末に新しくリリースしたオファーポータルという機能がとても面白くて、年末年始にずっと見てました。

これは、「Kaizen Platform」で実施されてきたWebサイト改善事例を様々な切り口で検索でき、蓄積したデータを今後のサイト改善活動に活用できる、世界最大級のデータライブラリ機能になります。(詳細は、こちら

 

その中で、特徴的だったのが例えばエントリーフォームの改善です。
https://app.kaizenplatform.net/experiments?business_tags=&page_tags=38&goal_tags=&lang=ja&order=score_desc

 

まだ10%くらいしか検索対象になっていないにもかかわらず、これだけで60件以上も事例があって、改善回数だけで言っても100回以上あるんです。

これを見てみると、全て同じようなエントリーフォームの改善なので、基本的な考え方とか型みたいなものは共通しているものがあるんですけど、まあ違う。

それぞれ、かなり違う。

 

改善が進んでもマネのオンパレードにはならずに、それぞれのビジネスやサイトでトライアンドエラーをしながらアイデア自体が磨かれていくんだと思いました。

 

そして、この沢山の改善事例を見ていくととても面白いことに気づきました。

実は、我々の改善はCVRだけではないんです。

インストール、アクティベート、会員登録、購入、アップセル、定期購入、サブスクリプションの解約防止、回遊増・・・

ありとあらゆる多様なKPIを改善してきました。

 

インターネットビジネスでは、経営指標の全てがインターフェースとそれを通じた顧客体験(UX)によって変わります。

 

つまり、経営指標はUXによって変えることができるんです。

UXの改善は、経営に直結する経営改善に他ならないということに、自分たちがお客様とグロースハッカーの皆さんと2年半で積み上げた10000回を超える改善実績から改めて気付かされました。

 

これからの時代の経営は、オープンソース的になると最初に書いたんですけど、これからの経営はある種のオープンソースのプロジェクトのようになっていくんじゃないかと想像でき、下記のようになるんじゃないかと思っています。

 

 

これまで

これから

組織

ウォーターフォール的な機能別組織

変化を前提としたプロジェクト型組織

製造の理屈

コストの制約で沢山つくることが難しい

超沢山つくることができる

チャネルの理屈

そんなに沢山試すことができない

超沢山試すことができる

キーとなる人材

ゼネラリストを集める

超ニッチに強い専門家を適宜チームに集める

人的資本をどう活用するか?

囲い込んで独占する

イデアを出し実行してもらう

 

こういう時代において、Kaizenは何を目指しているのかを改めて考えてみました。

 

①どんなビジネスでもKPIを改善することが超重要

サイトの改善とかマーケティングとか
そういう具体的な事象ではなく、もっとマクロで、引いた目線で見ると我々は何を実現しようとしているのか?

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②そのKPIを改善するためには、トライ&エラーの回数がキーポイント

我々のデータを見ると試行錯誤の回数と成果は正比例してます。

いかに、トライ&エラーを繰り返すかが定量的なデータからも見て取れます。

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③トライ&エラーの回数を最大化するためには、自社リソースにこだわってる場合ではない

それを、最大化していくためにはリソースの制約を取っ払う必要があります。

つまり、企業の側にも新しい発想が必要になってきているんです。

いかにコラボレーションを促進するか?は経営に直結するテーマになってきています。

 

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経営をオープンソースプロジェクトのようにオープン化していくために

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自社リソースだけでなく、外部のアイデアを経営に取り込み実行していくための必要条件として

  1. KPIを可視化して、共有する
  2. 課題を誰もが設定できる
  3. 解決策をたくさん考え、トライアンドエラーをたくさん回す
  4. 4得られた成果を共有する

 

それを実行することで得られる3つのメリット

  • SPEED↑(実行のスピードが上がる)
  • SCALE↑(実行の量や規模を拡大していくことができる)
  • RISK↓(固定費を抑えながら、成果を上げることができる)

 

 

新しい時代の働き方の創造

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そんなことを、考えていて現時点で僕が辿り着いた結論は、「Kaizenが実現しようとしているのは新しい時代の経営基盤をつくり、新しい働き方を拡げることじゃないか?」ということです。

 

新しい働き方を実現するためには、企業が変わらないといけません。

ただ残念ながら、企業そのものの変化は大分遅れています。

今のままでもやっていけるからです。

ただ、我々が立っている土俵は違います。

UXを改善していくためのキーはコラボレーションです。

Kaizen Platformは、すべてを機械学習人工知能に任せるマーケティングオートメーションの姿ではなく、いろんな才能をオーケストラのように統合しながら、その間で人間ではなく自動で実施すべきことをシステムが支援していくマーケティングオーケストレーションのためのインフラになりたいと思っています。

 

小さなアイデアをいかに集めていくか?いかにすぐ試してみるか?

コラボレーションなしには、実現しなかった成果が山のようにあります。

いつか、こうなるという未来ではなくて、すでに、我々はその兆しを実績として、たくさん積み上げてきました。

 

新しい時代の経営基盤を関わっていただいている皆様と一緒に作り上げていくことで
個人のアイデアが大きく経営を変える、そんな世界を創っていきたいと考えています。    

 

我々自身が改善者でありたい

Kaizen Platformのメンバーを知っている方は、よく動物園とか、ジュラシックパークみたいだと言われます。

もちろん褒め言葉だと受け止めています。

 

もともとKaizen Platformは組織からはみ出す人材を好んで採用してきました。

そして、起業した時から「リモートワーク」や「時間や場所にとらわれない働き方」を自分たちでも重視し、実践してきました。

社内には創業以来、連綿と大事にしてきた言葉や発言があり、積み重ねてきた毎日の行動や意思決定があります。

 

その中で、Kaizenの人材マネジメントポリシーを最後にご紹介します。

「改善者であろう」

というのが我々の事業や会社の根底にあります。

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英語でImproverというと見習いとか土壌向上剤という意味がありますが、それもまたいいなと思っています。

常に改善思考を忘れずに、行動し続けて世の中を変えていく人であろうという意味で、とても大事にしています。

 

そして、これが個人が輝く時代をサポートするためにも我々自身が個人として輝き、そしてチームとして輝くために大事にしてる姿勢です。

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資金調達というタイミングは、自分たちのアイデンティティーを再確認するとても良いタイミングだと思い、メンバーが社内中に貼り出してくれました。

原点に立ち返り、新たな一歩を踏み出したい、そう思っています。

 

Kaizen Platformは、資金と心強い投資家の皆さんを得て、さらなる飛躍を目指しています。

最後になりますが、我々とビジョンを共にしてくれる優秀なメンバーを絶賛募集していますので、ご応募ご紹介をよろしくお願いいたします。

 

 

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KPT of 2015

今年は、ずーっと苦しい、苦しんだ一年だった。

こんなことを別に大っぴらに言う必要ないんだろうけど、事実だからそう言わざるを得ない。

この苦しんだことと向き合わないとKPTの意味がない。

 

・苦戦した米国事業
・プロダクトの方向性
・従業員のモチベーション低下

 

ほかにも同時多発的に山ほどあるんだけど、結構参ったし、苦しんできた。

 

でも、そういう時でも言い聞かせていたのは

「いつか来た道」

という言葉だった。

 

どこかで、自分がしてきたことに自分が直面する

逆にいえば、苦しい時期もどこかで皆乗り越えてきているし、

自分だってどこかで乗り越えてきてるはずだ

ということ。

 

足元を見つめながら前に一歩一歩着実に足を進める。

それだけを意識してやってきた。

 

辛抱辛抱と思いながら、あまりない忍耐力を振り絞り、毎日脳みそ擦り切れるくらい考えてきました。

でも、こんなに大変だなと思っても、僕自身は諦めようとかモチベーションということについて全く悩まなかったです。

 

自分が何をしたいのか?

なぜこんなにもこだわれるのか?

それがクリアにわかったからかもしれないです。

 

そういう意味で、2015年は徹底的に自分と向き合う一年でした。

振り返りながら、2016年へ向けての想い的なものをしたためてみたいと思います。 

 

KPT

■よかったこと、続けたいこと(Keep):

・プロダクトを直接関与するようになったこと

 

 ■うまくいかなかったこと(Problem):

・自分が実現したいことをうまく伝えきること

 

■つぎにためしたいこと(Try):

・ もっとプロダクトにフォーカスすること

 

2015年の振り返り

「人」

2015年も人との出会いにおいては、常に刺激を頂きました。

毎年恒例にはなるけど、やっぱりKaizen Platformのメンバーと一緒に働けたことは至上の喜びでした。

素晴らしいチームと仕事をさせてもらえていることを心から誇りに思っています。 

 

「仕事」

スタートアップの経営も3年目になりました。

日々起きるリアルな問題と格闘し続けた一年でした。

 

売上 前年約3倍

グロースハッカー数 2800名以上

従業員数 65→100名

イベント登壇、講演数 25→19(会社全体でみると確認できただけで45以上 登壇させていただいたようです ありがとうございます)

メディア露出数 450→1220以上(TV、WEB、雑誌、新聞含む) 

 

というわけで、Kaizen Platformの2015年も、おかげさまで数字的には素晴らしい実績を残すことができましたし、振り返ってみると色々なことが実現できました。
事業としては着実に、着実といっても相当伸びました。
ただ、僕にとってはとにかく悩み続ける一年間でした。

 

スタートアップの3年目というのは、どういうものなんだろうか?
技術顧問として、助けてもらってる id:naoya さんが結構いいことを言っていて、

 

「創業から最初の2年間っていうのは、魔法なんだよ
で、その魔法が解けただけ。
普通になっただけだよ。
事業も伸びてる、順調なんだし、よくやってると思うよ。」


事業も・・・以降の下りは、あんまり頭に入ってこなくて
普通になっただけ
という言葉がある意味、鮮烈に
ただ、悩んでいた僕には救いにも思える言葉だった。


なーんだ、普通になっただけか。
じゃあこっちのもんだなと。
これまでも、10年以上事業計画なんてつくってきた。
毎年、ぎゅうぎゅうにやられてきた。

もっともっと。
もっと知恵を出せと。
ある意味無限にも思えるキャッチボールをずーっと繰り返してきた。

それに比べたら、大したことない。
とにかく、できることを一つ一つ前に進めていこうと吹っ切れた瞬間でした。

 

そうして、日々悩みながらもメンバーが100人を超え、相当大きなことを実現できるモメンタムがでてきたことは素直に嬉しいです。

慣性の法則のように、最初は必死で自転車を漕いでいたのが
少しずつ勢いがついてきて、少しの力が大きな力に波及する
そんな瞬間を感じられることが度々ありました。

これを2016年は、もっと大きなウネリに変えていきたいと

そう思っています。

今までマーケティング的なことを一切やっていなかったのですが、
2つの大きな自社イベントを今年、実施しました。

グロースハッカーの皆様向けのイベントでKaizenの事業にとって、大きな転換点になるイベントでした
Growth hacker awardは、「改善する人たちを応援するイベントをいつかやりたいね」
と創業当初から話していたイベントで、100名の方々にお越しいただいて、

グロースハッカーの皆さんの考え方や観点、アイデア、結果としての改善実績に驚いたり、感動したり
自分たち自身が、自分たちの事業の価値を再認識させてもらう
そんなイベントでした。

お客様向けのイベント、Kaizen Growth Driveは200名のマーケティング部門の責任者やリーダーの方々にお越しいただき開催することができました。

「自分が参加してみて面白かったと思えるイベントにしよう」
というコンセプトを追求した結果、
自社が取り組んでるマーケティングの課題を皆でシェアして
どうやって工夫してるのか?何がキーなのか?
そんなテーマを話し合える、そんな場にできたらと講演、パネル、ワークショップなど
盛り沢山のイベントになりました。

その結果、つまんない製品の売り込みが一切ないという驚異のイベントになってしまって経営者として、本当にいいのかな?と自問自答しました。

これは、コンテンツマーケティングにも言えることなんですけど、
「自分がマーケターとして面白いと思えるコンテンツを」
を追求していくと、なんていうんですかね?商業性と離れてくというか
まあ、なんでこれをKaizenさんはやってるの?
というところに戻ってきたりするわけです。

ただ、我々は
「改善したいと思う人、行動する人を応援する会社」
でありたいわけです。

 

その信念に基づいて、

プロダクトをつくり

マーケティングを行い

採用をし

組織を動かし

事業を行ってきました。

今期、短期的な成果をあまりマーケティングに求めてこなかったんですけど、
スタートアップでこれをやるのは、正直オススメしませんw

短期超大事!!

ただ、自分自身の時間の使い方も、経営にとって必要なこととプロダクトにとって必要なこと以外は
「改善したいと思う人、行動する人を応援する」ということに思いっきり時間をつかってきました。

講演でお話させていただく機会をいただいた時も、
ミーティングや商談でお時間をいただいても、
投資家や他の起業家とお話する時も、
常に何か新しい、聴く人にとって「なにか改善するための一歩を踏み出そう」と思ってもらえればと思ってやってきました。

僕の信念ですが、
Everyday we can start something to improve.
(いつだって、誰だって、何かを改善するための一歩を踏み出せる)
という言葉を大事にしています。

改善しようと一歩を踏み出す人を支えるようなプラットフォームをつくりたい
そう思って、事業を推進してきました。
来年は、もっと広く、大きく使っていただけるようなサービスにしたいと思っています。

"KAIZEN for everyone"
をキーワードに、また来年も進めていきたいと思います。

 

 

「旅」

今年は、宮崎が新しかった。

サンフランシスコ

福岡

宮崎

台湾

箱根

名古屋

大阪

京都

 

「美術館」「映画」「音楽」

2015年は美術館や映画やライブにいく機会を少し増やせました。

娘がもう少し大きくなったら、一緒に行きたいです。

サントリー美術館

007 スペクター

スターウォーズ フォースの覚醒

a-nation

スキマスイッチほか

 

 

「食」

福岡とサンフランシスコでは、美味しいものに沢山出会えました!

 

「アート」

2015年は禅でした。

鈴木大拙白隠禅師…

迷ってたり、悩んでたりする時ほど、新しい発見があるから禅を求めたのかもしれないですね

 

「風景」

2015年一番の風景は、ナパで見た夜空。

星が落っこちてきそうだった。

 

「病気」

今年は、体調良い時期の方が少なくて、ぎっくり腰とか咳に悩まされた。

体調管理もっとしっかりしないと。

 

「プライベート」

2015年も娘の日々の成長に、凄く刺激をもらっていました。

娘の成長に負けたくないな。

 

 

2016年に向けて 

 

2012年は、未来なんてわからないというエントリーから

2013年は、出会いと可能性の拡大について

2014年は、 weak tiesとTipping pointの話題から

2015年は、風姿花伝の話からはじめていました。

 

2016年は、「バック・トゥ・ザ・フューチャーの話からはじめたいと思います。

別に、STAR WARSでもいいんですけども。

 

年末恒例の未来予測に関する記事がたくさん出てました。

 

日本のVCが予想する2016年のスタートアップ・トレンド(前編) | TechCrunch Japan

日本のVCが予想する2016年のスタートアップ・トレンド(後編) | TechCrunch Japan

 

これを見ていて、ふと思い出したのが、バック・トゥ・ザ・フューチャー」だったんです。

ちょうど、2015年がバック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」のマーティとドクが30年前の過去から未来にくるという設定があって、フィーバーしたことは記憶に新しいかと思います。

 

このニュース見て懐かしいなーとか思ってたんだけど、よくよく考えると凄い示唆があるんですよね。

 

「これは最高の発明品でしょうね。スマートフォンって言うんですけど」と説明。ドクはスマホを手にし、「携帯できるコンピューターということか。これがあれば我々物理学者は……」と難しい語りに入るのだが、ジミーが、「いや、みんなお互いにニコニコ絵文字を送り合うとか、そんなことしかしませんけどね」と 言い、ジミーがスマホに入れているコンテンツで、ドクとゴチャゴチャともみ合う。

 

スマホは確かに未来的なんだけど、その日常の用途って別に未来的じゃないというかある意味過去から見るとくだらないと思えることなんですよね。

凄い技術で、全然凄くないことをしてるというんでしょうか?

2016年はわからないけど、今から30年後も同じなんじゃないかなとふと思ったんです。

 

未来的なものはほとんど実現しないんだけど、真にイノベーティブなものは、日常に溶け込みすぎて、超くだらないことに使われてる。

それほどまでに、日常に溶け込めるかどうかというのが重要なんじゃないかなと思ったんです。

 

別の切り口で、そんなことを説明してくれていたのがこの記事でした。

濱口 未来予測というのは当たらないものなんですよ。ぼくが子どものころに描いた未来の絵なんか、何ひとつ実現 していません。空中のチューブの中を走る車とか、ボタンひとつで夕飯をつくってくれる調理器具とか。でも、その絵のなかで1点だけ、ちょっとおもしろいこ とになっている部分がありました。友だちと遠くにいても「応答、応答」って話せる機械を描いてたんです。

ちきりん おお、それはスマホですね。

濱口 一対一だけでなく、世界中の人に連絡がとれるし、動画まで見られるんですよ。これは何を意味しているかというと、未来は一気に実現しなくて、ある1点の割れ目が広がっていくものだ、ということです。

ちきりん その割れ目というのが、車でも調理器具でもなくスマートフォン、情報通信の部分だったと。

濱口 それがぼくの未来観。全体ですごいものではなく、「もしかするとこれかも?」というちっちゃいものが、将来大きな割れ目になるかもしれない。そう思いながらぼくはコンセプト作りの仕事をしているんです。

 

この割れ目という表現がとてもユニークだなと思ったんです。

一点から拡がっていって、そこが世界を変えると。

で、この記事の中で、とても面白い思考法が紹介されていました。

 

濱口 ぼくは画期的な商品を設計するときは、かならずバイアスモデルをつくって、それを破壊する方向でユニークな1歩を設計します。

ちきりん 具体的には、どうやってバイアスを壊すんですか?

濱口 方法はいろいろあるのですが、1つは情報が少ない状態で考え始めることですね。

 

情報が少ない方が、物事の本質的な部分で考え始める。

情報が多いと、整理することに力がかかってしまうけれど、情報が少なければ本質を考えざるをえない。

なるほどなーと思いました。

 

バイアスを壊すということは、おそらく

「何言ってるのか、意味がよくわからない」

というものとか

「うーん、ちょっと気持ち悪いな」

と思うことが、日常に溶け込む瞬間を描くということなんだろうなと思ったんです。

 

もし、今バック・トゥ・ザ・フューチャー」をリメイクすると想定した時に、どんな未来を描くのか?と想定すると意外と新しい発想が出てこないというか、最近のアニメや映画に描かれているものの組み合わせになってしまうんですよね。

 

気をつけなければいけないのは、その組み合わせの中のシーンのどこか一部や一点がそれを凌駕するほどの勢いで割れ目をつくり、そこだけが突出して未来になるということなんです。

 

その一点を見逃さないようにしたいなと、

できるならその未来の割れ目を自分たちの手で生み出したいなと、

そう思っています。

2016年も、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

 

※ちなみにSTAR WARSは、今から40年前に描かれた脚本で、

それが、今も違和感なくくっついて、しかも登場人物までつながってと、驚異的な未来を実現しちゃってたわけです

すげえよ マジすごいっす

ルーカス先輩

 

タイムリミットを決めること

人生でタイムリミットを決めることには大きな効能があると思う。

何か実現したい夢や姿があるんであれば、なおさらだ。

 

32歳になった時に、

「どうしたら世界で戦えるテクノロジー企業の経営者になれるんだろうか?」

と真剣に考えた。

 

それまでは、いつかなれたらいいなというくらいの心持ちだったが、

そのままでは、いつまでもなれないという事実に薄々気づいていた。

 

その時に決めたことで、最も良かったことは、

「35歳までに、そういう勝負ができる位置に行くこと」

だった。

 

そう決めた理由は単純で、自分が勝てるとすると、自分の旬な瞬間を最大限に捉えないといけない。

それは、きっと35くらいだろうと直感で思ったからだ。

正直、それはあんまり意味がなかったと思う。

旬の瞬間はもう過ぎちゃったのかもしれないし、まだきてないような気もする。

その真偽は、どうでもいいことだった。

 

ただ、重要なことは時間の使い方を全て変えたことだ。

3年しかなかったから、

1年かけて、会社員を辞め

1年かけて、スタートアップを開始して国内で事業のコンセプトを少しづつ形づくり

1年かけて、米国で事業を開始した。

 

で、今日35になった。

3年前に決めなければ、絶対に起きなかった未来を僕は今生きている。

当時の僕は、事業部長として新規事業に奮闘していた。

仕事はめちゃめちゃ面白かったし、一緒に仕事してるメンバーも最高だった。

なんの不満もなかった。

だから、時間の使い方を変えなければこの未来は起きなかった。

 

自分がいなくても、事業が回るようにと

後輩に自分の持ってる全てを伝えようと

自分なりに、棚卸しして最大限それに務めた。

できたことも、できなかったことも沢山あるのだけれど

とにかく、思いっきりやった。

思いっきり時間の使い方を変えた。

 

今、仕事をしてる上で、実現したいことが沢山ある。

夢が沢山ある。

それを一緒に面白がって、実現していく仲間がいてくれる。

 

次の3年後に、僕らは世界中の顧客をKaizenしたいと思ってる。

世界中の皆が、Kaizen Platformを知っていて、使ってくれている状態をつくりたい。

色んな人のモチベーションを巻き込み、壮大なエコシステムを創りたい。

それが、次の僕の野心的な目標。

 

不思議なもので、いつまでに実現したいかを口に出していると全てが実現していく。

だから、タイムリミットを決めて、口に出して、それに向けて時間の使い方をドラスティックに変えていく。

それだけなんだけど、それで人生が大きく変わったなと振り返ってみると思う。

 

今日お伝えしたいことは単純だ。

未来を変えたいんであれば、時間の使い方を変えればいい。

時間の使い方を変えれば、3年後立ってる場所は変わってる。

そのために、タイムリミットは凄く有効だと思う。

 

「いつまでに、あなたはその夢を叶えますか?」

Kaizen Platform2周年を迎えることができました

おかげさまで3/18をもちまして、Kaizen Platformも2周年を迎えることができました。

 

2年間には、色んなドラマがありました。

僕がこうして毎日、明るく仕事出来ているのは、周囲のみなさんのおかげです。

 

で、思い返すと何が思い出してくるかというと、とにかく人の顔です。

笑ったり、泣いたり、くだらないことでケンカしたり

僕が思い出すのは、仲間やお客さんや、一緒にやってくれるグロースハッカーの方々の顔ばかりが沢山でてきます。

 

日本だけじゃないです。

アメリカで一緒にやってる仲間と飲みに行ったり

バカな話で盛り上がったり。

 

会社は急成長して、今も猛烈なスピードで成長してます。

従業員も日米で70名を越えようとしてます。

不思議なもので、これだけこだわってきた数字や事業やサービスはあんまり出てこない。。。人の顔しか思い浮かんでこないです。

 

仕事って究極何のためにしてるんだろう

と思うと、僕はやっぱり人と仕事するのが自分が楽しいからなんだなと思います。自己満足の境地ですね。

 

人と一緒に仕事して、もちろん摩擦なんか日々沢山あって

苦労してないかと言われると毎日必死ですけど

僕は、誰かのために人と仕事するのが大好きです。

 

で、一緒に仕事していただいてる周囲の人たち、もちろん従業員の皆もそうなんですけど、お客様もグロースハッカーの皆様も素敵な人ばかりで、本当ありがたいです。

 

タイムマシンで、起業するときの2年前に戻ったらどうするかな?何を変えるかな?と想像してみたんですけど、

ああーもっとこうすればよかったなとか

早く気付けばよかったなとか

色んな後悔が沢山あります。

思ったよりもずっと大変だったから、もしかしたらビビって起業してなかったかもしれないです。

 

ただ、僕が2つ誇れることがあるとしたら、社名をKaizen Platformにしたことと、今の仲間が集まってくれたことです。

特に今一緒に仕事してる人たちを迷わず、もう一回何が何でも採用するということだけは自信を持って言える。

そして、共同創業者に石橋さんをやっぱり選ぶということも自信を持って言えます。

 

「石橋さん、僕と一緒に人生をメチャメチャにしましょう」

と誘って

「面白そうじゃん」

と二つ返事で乗ってくれたから、今があります。

それからずーっと人に恵まれて、ここまで来れました。

 

というわけで、Kaizen Platformに関わっていただいているすべての皆様、本当にありがとうございます。

貴重な人生の時間を、せっかく共にしてるので、もっともっと面白いことできたらいいなと考えています。

引き続き、一緒に世界をKaizenしていきたいです。

 

ふつつかものですが、どうぞよろしくお願いしますm(_ _)m

スタートアップの経営で学んだ5つのこと

Kaizenの経営をはじめて、20ヶ月が経ちました。

正直、笑っちゃうくらい大変なことだらけ。

ただ、多くの事を学んだのでサンフランシスコに向かう機上で少しまとめてみました。

何かの参考になれば幸いです。


1:スタートアップの経営者は、想像以上に会社をコントロールできない

 

経営者は会社をコントロール出来ると一般的には思ってる人が多いと思います。

人数小さいチームであれば、尚更コントロール出来ると思いますよね?

僕もそう思ってました。


スタートアップの現実は、そんな事全くない。

全くです。

小さな船が荒波に揉まれながら、予想外の事が毎日、なんなら1日数回にわたり起きるんです。

常に問題と格闘してます。

 

なので、その船に一緒に乗ってる仲間も、自ずと問題と格闘してくことになります。

多分、どうしてこんなに問題が起きるんだ!

経営者は何やってるんだ!

バカヤロー!!

って従業員は毎日思ってると思うんですけど、サボってなければ大抵別の問題に必死になってるんですw


なので、スタートアップのメンバーは全員が経営といっても過言ではないです。

ほとんど皆ほっておかれてるはずです。

自分で判断しないと船沈みますからねw

経営者は見当たらないので、自分で船が沈まないように判断していくという過酷な環境を強いられます。


そういう環境ですから、実は経営者もコントロール出来ていない

というか出来ないんです。

ちなみに僕が会社をコントロール出来る範囲って15%くらいなもんです。

自重でもなんでもなく、85%は仲間の手に委ねられてます。

 

だからこそ、思うのがスタートアップのーこそ従業員皆経営者主義じゃないとヤバイと痛烈に感じてます。

ビジネスモデルにもよるんだろうけど、グローバルで戦う会社にするのは、本当に全員のパーセプションが高いレベルで必要だなと痛感してます。


2:意思決定よりも、曖昧さに耐える時間の方が遥かに長い

良く経営の仕事は、意思決定をすることだと言います。

僕も会社員として、そういう仕事してきたはずなんだけど、

なんていうか実感値は違う。

 

曖昧さに耐える時間が大半でした。

スタートアップの規模で、少ない情報から意思決定することの方がよっぽどリスクが高いです。
それよりも、ずっとわからない事に対して曖昧にしながら情報を集めていかないとマーケットの芯を食った判断なんて出来ません。

 

Kaizenでも今でこそ日本で毎月50〜80社と商談しながら、100社以上のお客さまと直接お取り引きさせて頂くようになって、はじめて定量的に情報を集めることが出来るようになりました。


それくらいの規模にならないと、個別事象なのか傾向なのか全くわかりません。

自分がある程度良く知ってるマーケットですら、こんな感じでした。

 

だから一緒に働いてるメンバーからすると堪ったもんじゃないですよね。

お前意思決定バシバシしろよと。

僕がメンバーだったらめっちゃ突き上げてると思うけどw、

現実の僕は経営者として1年半で数えるくらいしか意思決定しなかった。

というか出来なかった。

 

ちょうど1年半経った去年の年末くらいからです。

自信を持って意思決定出来るという手応えを掴めたのは。

その期間を一緒に耐え切ってくれたKaizenのメンバーは本当に凄いです。


僕は、なんだか外で話す機会もあって経営の話もたまにさせて頂いて偉そうに話してますが、正直言えばKaizenが強いのは一緒に働いてる仲間が凄いからの一言です。


もうちょい僕頑張らないとと最近思ってるくらい。

Kaizenって、タレント揃ってるからプレッシャー半端ないんですよ。

本当。

1プレイヤーとしても負けたくないと良い刺激もらっています。



3:現実を観ながら、理想を追求し続ける事の難しさ

 

上記のような中で、重要な事が現実を直視することです。

そもそも売れないとか

お客さんが使ってくれないとか

喜んでいないとか

それはそれは、現実は思った通りにいきません。

 

でも、自分や自分達が掲げている理想を追求しないとやってる意味がありません。

なので、現実と向き合いながら迎合したり妥協しないでいることのバランスは極めて難しいです。

 

会社の中に入ってくるありったけの情報を一つ一つ解釈しながら、

仮説を立てて自分でお客さんや仲間にぶつけてみるというような事を繰り返してます。


結局、入ってくる情報の解釈の精度は勘というか自分の中にあるリアリティーを構築する以外に上がりません。
こればっかりは、嫌な顔されても現場に首突っ込まないとわかんないので、継続的にアップデートしていく必要があるなと感じています。


4:経営者が1人でどれだけ必死に考えるよりも、メンバー全員が10%ずつでも会社の事考える組織の方が遥かに強い

 

これは、日米でちょうど70人を超えようとする規模になってきたからより一層感じてること。

僕が必死なのは当たり前なんだけど、それでも出来る事はやっぱり大きくないんです。

ケネディの名演説は、国家だけじゃなくてスタートアップにだって当てはまると思うんです。

 

国があなたのために何をしてくれるかではなく、あなたが国のために何ができるかを考えようではありませんか。

 
良いチームをつくれと良く言われますが、良いチームの定義を最近になって漸く自分の中で出来ました。


・自分達が尊敬できる一緒に働きたいメンバーを集め、

・個人が心から面白いと思えるビジョンを掲げて、

・1人1人が、必ず少しずつ会社の事を考えているチーム


そして、この3つの条件が揃ってる良いチームには常に危機意識や怒りが有るはずです。

このままじゃいけないとかこうした方が絶対良いはずだとかそういうやつです。

これが気流や気圧を生み出し、組織がチームが自らの意識を持って動き出します。

 

健全な偏りと僕は呼んでるんですけど、そういうヘルシーなチームであり続けたいと強く思います。


5:それでも、経営者は顧客やメンバーやもちろん投資家など事業に関わってくれる全員と対峙出来るだけの努力と思考が必要

 
色んな学びがあるんだけど、でもやっぱり経営者がどれだけ深く突き詰めて考えているかは、色んな人が見ています。
従業員や投資家はもちろん
顧客だってよ〜く見ています。
僕も見られてるなーと思います。
言い方を変えれば、皆見てくれているんですよね。
 
良くお天道様が見てると言いますけど、これは本当だと思います。
だからこそ、安心して悩み苦しみ抜くことが出来ます。
 
僕は、スタートアップを経営してみて、このことに気づけたことは本当大きいです。
よく色んな人は経営者は、孤独だというけど僕は違うと思う。孤独じゃない。
絶対に見てくれている人がいるから、安心して悶絶していいんです。
 
もちろん、相談出来ない悩みだって沢山あるけど、それも含めて必ず誰かが見てくれてるからいくらでも頑張れる。
 
とてつもなく大変だし、地味な事ばっかりで格好良い仕事ではないんだけど、誇りに思ってる。
正確に言えば、20ヶ月経って溺れながらも色んな人に助けられて今ようやく誇りに思える仕事になってきた。
 
思い返してみると感謝しかない。
この感謝は成功してお返ししないとね。
 
さ、そろそろサンフランシスコです。
今週も頑張るよ。
 

なんのために仕事をしてるのかは誰も教えてくれない

2月10日に第1回のJapan Growth Hacker Awardsを開催しました

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これは、Kaizen Platformで主催した初めての本格的なイベントでした。

今から1年半前の2013年の7月にKaizen Platformをはじめました。

はじめた時は、ビジョンとコンセプトとβ版のプロダクト以外何にもありませんでした。

 

「世界をKaizenする」

という大きなミッションと、それを実現するために人のクリエイティビティを最大限発揮できる仕組みをつくろうと思ってやってきました。

 

そうして少しずつ仲間が集まってくれて、

お客さまが増えて、

グロースハッカーという仕事に参加してくれる方々が増えてきて、

今があります。

 

最初は何もなかったんです。

仲間も

お客さまも

グロースハッカーのみなさんも

当然実績なんて何もなかった。

 

2013年の12月に皆で合宿をして1年後にどうなってたらいいか?を風呂敷を最大限広げて議論しました。

100社のお客さま

40カ国の利用

その中で、グロースハッカーの皆様を表彰するアワードをやりたいという話が出たんです。

新しい働き方を広げるために、やりたいねと話していたことを今でもはっきりと覚えています。

 

それから、皆怒涛の日々を過ごしてきました。

当然楽な仕事なんてないですが、それにしても溺れるほど仕事したなと思います。

社内もギスギスしましたし、まあ今でもしてないってわけじゃないと思うけど。

ただ、1年後に本当に実現しました。

 

嘘から出た真です。

別に嘘ついてるつもりはないけど、その時は何にもないんだから、見ようによっては嘘です。

でも、実現したら真です。

 

なんのために仕事をしてるのか?と聞かれれば、

僕はこういう人たちを増やして、皆で世界を改善したいんだと答えてきたわけなんですけど、それが実現するかどうかはわからなかったわけです。

わからないけど、そうなるはずだと信じて毎日一歩一歩前に進んできたわけです。

今はないことに取り組んで、自分が取り組んだ何かが形になってきたんだと思うんです。

そういう意味では"嘘を真にする"ことが、スタートアップや新規事業に取り組んでる人の仕事ですよね?

 

新しいことに挑戦してる場合、なんのために仕事をしてるのかは誰も教えてくれません。

むしろ、それを知るために仕事をしてるようなとこがあります。

頑なに、信じて、耐えて、耐えて、耐えて、頑張り続ける必要があります。

なにせ新しいことですから、誰も教えてくれません。

ただ、挑戦していくと少しだけ気づける瞬間がやってきます。

それが僕にとっては、今回のイベントでした。

 

顔を直接見てお仕事させていただく機会は少なかったんですが、

確かにビジョンは通じていました。

帰りのタクシーの中で、思わず涙が出てきました。

なんか、仕事で泣くのとか格好悪いと思ってたけど、いいもんだなと思いました。

でも、見られたら何言われるかわかんないから、一人の時で良かったなと思いますw

 

一緒にやってきてくれた仲間と

Kaizenを応援してくれたクライアントさん、

何より僕らを信じて一緒に戦ってくれたグロースハッカーのみなさんに感謝してます。

 

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わかります?

この気持ち

味わったら、やめられないですよ。

 

来年は、3倍以上の規模でやりたいなと思ったので、明日からまた仕事に盲目的に邁進します。

いい瞬間って、本当に少なくて、時間にしたら0.1%くらいだと思うんだけど、それで残りの99.9%頑張れてしまうから怖いw

仕事で感動できるように、また頑張ります!

KPT of 2014

2014年は、過去最高に学びの多い一年でした。

振り返りながら、2015年へ向けての想い的なものをしたためてみたいと思います。 

 

KPT

■よかったこと、続けたいこと(Keep):

・Great teamになるために社内コミュニケーションを改善し続けること

 

 ■うまくいかなかったこと(Problem):

・プロダクト自体の大きな進化

 

■つぎにためしたいこと(Try):

・ 良しとしてきた曖昧さを少しずつクリアにしていくこと

 

2014年の振り返り

「人」

2014年も人との出会いにおいては、常に刺激を頂きました。

中でも手前味噌で恐縮ですが、やっぱりKaizen Platformのメンバーと一緒に働く機会を得られたことは至上の喜びでした。

素晴らしいチームと仕事をさせてもらえていることを心から誇りに思っています。 

 

「仕事」

スタートアップの経営も2年目になりました。

フレームワークでは解決できない、活きた問題と向き合い続けた一年でした。

 

売上 前年600%成長

提供社数 350→800社以上

利用国数 10→41カ国突破

従業員数 30→65名

イベント登壇、講演数 11→25

ピッチイベント登壇数 7→3(私以外のメンバーが参加 全てで入賞)

メディア露出数 270→450以上(TV、WEB、雑誌、新聞含む) 

 

というわけで、Kaizen Platformの2014年は、おかげさまで数字的には素晴らしい実績を残すことができました。

ただ、実感としては、ひたすら課題に向き合い続けるというもどかしい時間が多く、忍耐強さ、粘り強さが求められる試練の一年でした。

 

それでも、僕自身が途切れることなく、淡々と課題と向き合い続けてこれたのは、この事業が好きだということ、一緒に働いている仲間が好きだということに尽きると思います。

深く感謝しています。

 

「旅」

旅をしながら仕事をするというと格好良い感じですが、呼ばれれば何処へでも行きました。

2014年は、SFと福岡をたくさん訪れました。

サンフランシスコ

福岡

札幌

宮古島

箱根

名古屋

大阪

京都

 

「美術館」「映画」「音楽」

2014年は美術館や映画やライブにいく機会は、中々つくれなかったです。

映画は主に飛行機の中で見るのが中心でした。

娘がもう少し大きくなったら、家族3人で一緒に行きたいです。

新国立美術館

オール ユー ニード イズ キル

トランセンデンス

アナと雪の女王

トランスフォーマー ロストエイジ

 

「食」

福岡とサンフランシスコでは、美味しいものに沢山出会えました!

柳町一刻堂のイカの刺身

きはるの胡麻鯖

fooddaysのワインとアンガスステーキ

米久のすき焼き

久兵衛の寿司

香妃園の鶏煮込みそば

Birches CafeのBig Ass Burger

ウルフギャングステーキのプライムステーキ

けやき坂の鉄板焼き

Foreign Cinemaのpork chop 

 

「アート」

2014年は印象派の素晴らしさに改めて触れました。

元々Monetが好きでしたが、今年オルセー展でManetの作品を直接観ることができて、いい意味で衝撃を受けました。

パリで観た時は、他にもいい作品があってそこまででもなかったんだけど、やっぱり素晴らしい作品ですね。

もう一度見に行きたいな。

 

「風景」

2014年一番の風景は、リビングから見える朝陽です。

年末に引っ越しまして、とても静かなエリアが気に入っています。

 

「病気」

おかげさまで、健康に気をつかってきたこともあり例年よりも平穏に過ごせました。

年末に気管支炎になりまして、ご迷惑をおかけした皆様、すみませんでした!

 

「プライベート」

2014年は娘の日々の成長に、凄く刺激をもらっていました。

家族の絆が強くなり、娘の笑顔を見るのが毎日楽しいです。

 

 

2015年に向けて 

 

2012年は、未来なんてわからないというエントリーから

2013年は、出会いと可能性の拡大について

2014年は、 weak tiesとTipping pointの話題からはじめました。

 

2015年は、風姿花伝の話からはじめたいと思います。

風姿花伝は、能の天才役者である世阿弥が書いた芸能の書なんですが、芸能だけではなく様々な道に通づる人間の本質を説いている素晴らしい本です。

非常に面白くて、読む度に発見があるんですが私が2014年に惹かれたのは2箇所でした。

 

「されば、時分の花をまことの花と知る心が、真実の花になお遠ざかる心なり。ただ、人ごとに、この時分の花に迷いて、やがて花の失するをも知らず。初心と申すはこのころの事なり」

 

(新人であることの珍しさによる人気を本当の人気と思い込むのは、「真実の花」には程遠い。そんなものはすぐに消えてしまうのに、それに気付かず、いい気になっていることほど、おろかなことはない。そういう時こそ、「初心」を忘れず、稽古に励まなければならない。)

 

 

私には、また私達の事業には、珍しさがあったと思います。

それで、こうして沢山のメディアに取り上げられ、お陰様で事業の成長に大きなアドバンテージをもたらして頂きました。

ただ、2015年は創業3年目を迎えることになります。

時分の花も消えていきます。

 

真実の花=本当の魅力を育てなければ、私もKaizen Platform自体も持続的に成長していくことはできないと肝に銘じております。

 

そして、こうも書いてあります。

 

「上がるは三十四-五までのころ、下がるは四十以来なり」

 

(上手になるのは、34~35歳までである。40を過ぎれば、ただ落ちていくのみである。だから、この年頃に、これまでの人生を振り返り、今後の進むべき道を考えることが必要なのだというのです。34~35歳は、自分の生き方、行く末を見極める時期なのです。)

 

スタートアップで世界で戦う。

これこそが、起業した理由なんですが、私自身も自分の”旬”の時期を35歳と位置付けて、その時期までに世界で勝負できるようにと、懸命にその勝負の舞台に近づこうと努力してきました。

 

参照 僕がスタートアップする理由 - sudoken Blog

 

 

今になってみると、もちろん理想からはほど遠いわけですが、時間は残酷です。

ちょうど2015年4月に私は35歳を迎えます。

自分で引いたタイムリミットと世阿弥の感覚が近いのも相まって、2015年は否が応でもピークを迎えることになるなぁと感じております。

自ずと勝負の年ということになります。

 

そんな時にも、風姿花伝は素晴らしいヒントをくれています。

流石、世阿弥先生。

 

少年時代の愛らしさ、青年時代の若さ、壮年の体力など、何かを失いながらその人生をたどっていき、喪失の様々な段階を経ながら、人間は成長をしなければならないということを風姿花伝では切々と説いています。

このプロセスは常に失うと同時に、何か新しいものを得ようと藻掻く試練の時とも言えます。

つまり、常に初心の時とも言えます。

 

一生を通じて、チャレンジし続けるという意味では常に初心である。

ゆえに

「初心忘るべからず」

世阿弥はその段階毎の挑戦を激励してくれてるんじゃないかなと勝手に解釈しております。

人間は、いつの時も挑戦するという初心が大切なんだと。

フレッシュな気持ちを忘れるなというよりも、その年齢に応じた挑戦することを何時も忘れるなと言ってくれているような気がしてなりません。

 

さあ、2015年。

何を失い、何を得るのか?

精一杯、藻掻いてみたいと思っています。