sudoken Blog

Kaizen PlatformのCEOのブログです

KPT of 2015

今年は、ずーっと苦しい、苦しんだ一年だった。

こんなことを別に大っぴらに言う必要ないんだろうけど、事実だからそう言わざるを得ない。

この苦しんだことと向き合わないとKPTの意味がない。

 

・苦戦した米国事業
・プロダクトの方向性
・従業員のモチベーション低下

 

ほかにも同時多発的に山ほどあるんだけど、結構参ったし、苦しんできた。

 

でも、そういう時でも言い聞かせていたのは

「いつか来た道」

という言葉だった。

 

どこかで、自分がしてきたことに自分が直面する

逆にいえば、苦しい時期もどこかで皆乗り越えてきているし、

自分だってどこかで乗り越えてきてるはずだ

ということ。

 

足元を見つめながら前に一歩一歩着実に足を進める。

それだけを意識してやってきた。

 

辛抱辛抱と思いながら、あまりない忍耐力を振り絞り、毎日脳みそ擦り切れるくらい考えてきました。

でも、こんなに大変だなと思っても、僕自身は諦めようとかモチベーションということについて全く悩まなかったです。

 

自分が何をしたいのか?

なぜこんなにもこだわれるのか?

それがクリアにわかったからかもしれないです。

 

そういう意味で、2015年は徹底的に自分と向き合う一年でした。

振り返りながら、2016年へ向けての想い的なものをしたためてみたいと思います。 

 

KPT

■よかったこと、続けたいこと(Keep):

・プロダクトを直接関与するようになったこと

 

 ■うまくいかなかったこと(Problem):

・自分が実現したいことをうまく伝えきること

 

■つぎにためしたいこと(Try):

・ もっとプロダクトにフォーカスすること

 

2015年の振り返り

「人」

2015年も人との出会いにおいては、常に刺激を頂きました。

毎年恒例にはなるけど、やっぱりKaizen Platformのメンバーと一緒に働けたことは至上の喜びでした。

素晴らしいチームと仕事をさせてもらえていることを心から誇りに思っています。 

 

「仕事」

スタートアップの経営も3年目になりました。

日々起きるリアルな問題と格闘し続けた一年でした。

 

売上 前年約3倍

グロースハッカー数 2800名以上

従業員数 65→100名

イベント登壇、講演数 25→19(会社全体でみると確認できただけで45以上 登壇させていただいたようです ありがとうございます)

メディア露出数 450→1220以上(TV、WEB、雑誌、新聞含む) 

 

というわけで、Kaizen Platformの2015年も、おかげさまで数字的には素晴らしい実績を残すことができましたし、振り返ってみると色々なことが実現できました。
事業としては着実に、着実といっても相当伸びました。
ただ、僕にとってはとにかく悩み続ける一年間でした。

 

スタートアップの3年目というのは、どういうものなんだろうか?
技術顧問として、助けてもらってる id:naoya さんが結構いいことを言っていて、

 

「創業から最初の2年間っていうのは、魔法なんだよ
で、その魔法が解けただけ。
普通になっただけだよ。
事業も伸びてる、順調なんだし、よくやってると思うよ。」


事業も・・・以降の下りは、あんまり頭に入ってこなくて
普通になっただけ
という言葉がある意味、鮮烈に
ただ、悩んでいた僕には救いにも思える言葉だった。


なーんだ、普通になっただけか。
じゃあこっちのもんだなと。
これまでも、10年以上事業計画なんてつくってきた。
毎年、ぎゅうぎゅうにやられてきた。

もっともっと。
もっと知恵を出せと。
ある意味無限にも思えるキャッチボールをずーっと繰り返してきた。

それに比べたら、大したことない。
とにかく、できることを一つ一つ前に進めていこうと吹っ切れた瞬間でした。

 

そうして、日々悩みながらもメンバーが100人を超え、相当大きなことを実現できるモメンタムがでてきたことは素直に嬉しいです。

慣性の法則のように、最初は必死で自転車を漕いでいたのが
少しずつ勢いがついてきて、少しの力が大きな力に波及する
そんな瞬間を感じられることが度々ありました。

これを2016年は、もっと大きなウネリに変えていきたいと

そう思っています。

今までマーケティング的なことを一切やっていなかったのですが、
2つの大きな自社イベントを今年、実施しました。

グロースハッカーの皆様向けのイベントでKaizenの事業にとって、大きな転換点になるイベントでした
Growth hacker awardは、「改善する人たちを応援するイベントをいつかやりたいね」
と創業当初から話していたイベントで、100名の方々にお越しいただいて、

グロースハッカーの皆さんの考え方や観点、アイデア、結果としての改善実績に驚いたり、感動したり
自分たち自身が、自分たちの事業の価値を再認識させてもらう
そんなイベントでした。

お客様向けのイベント、Kaizen Growth Driveは200名のマーケティング部門の責任者やリーダーの方々にお越しいただき開催することができました。

「自分が参加してみて面白かったと思えるイベントにしよう」
というコンセプトを追求した結果、
自社が取り組んでるマーケティングの課題を皆でシェアして
どうやって工夫してるのか?何がキーなのか?
そんなテーマを話し合える、そんな場にできたらと講演、パネル、ワークショップなど
盛り沢山のイベントになりました。

その結果、つまんない製品の売り込みが一切ないという驚異のイベントになってしまって経営者として、本当にいいのかな?と自問自答しました。

これは、コンテンツマーケティングにも言えることなんですけど、
「自分がマーケターとして面白いと思えるコンテンツを」
を追求していくと、なんていうんですかね?商業性と離れてくというか
まあ、なんでこれをKaizenさんはやってるの?
というところに戻ってきたりするわけです。

ただ、我々は
「改善したいと思う人、行動する人を応援する会社」
でありたいわけです。

 

その信念に基づいて、

プロダクトをつくり

マーケティングを行い

採用をし

組織を動かし

事業を行ってきました。

今期、短期的な成果をあまりマーケティングに求めてこなかったんですけど、
スタートアップでこれをやるのは、正直オススメしませんw

短期超大事!!

ただ、自分自身の時間の使い方も、経営にとって必要なこととプロダクトにとって必要なこと以外は
「改善したいと思う人、行動する人を応援する」ということに思いっきり時間をつかってきました。

講演でお話させていただく機会をいただいた時も、
ミーティングや商談でお時間をいただいても、
投資家や他の起業家とお話する時も、
常に何か新しい、聴く人にとって「なにか改善するための一歩を踏み出そう」と思ってもらえればと思ってやってきました。

僕の信念ですが、
Everyday we can start something to improve.
(いつだって、誰だって、何かを改善するための一歩を踏み出せる)
という言葉を大事にしています。

改善しようと一歩を踏み出す人を支えるようなプラットフォームをつくりたい
そう思って、事業を推進してきました。
来年は、もっと広く、大きく使っていただけるようなサービスにしたいと思っています。

"KAIZEN for everyone"
をキーワードに、また来年も進めていきたいと思います。

 

 

「旅」

今年は、宮崎が新しかった。

サンフランシスコ

福岡

宮崎

台湾

箱根

名古屋

大阪

京都

 

「美術館」「映画」「音楽」

2015年は美術館や映画やライブにいく機会を少し増やせました。

娘がもう少し大きくなったら、一緒に行きたいです。

サントリー美術館

007 スペクター

スターウォーズ フォースの覚醒

a-nation

スキマスイッチほか

 

 

「食」

福岡とサンフランシスコでは、美味しいものに沢山出会えました!

 

「アート」

2015年は禅でした。

鈴木大拙白隠禅師…

迷ってたり、悩んでたりする時ほど、新しい発見があるから禅を求めたのかもしれないですね

 

「風景」

2015年一番の風景は、ナパで見た夜空。

星が落っこちてきそうだった。

 

「病気」

今年は、体調良い時期の方が少なくて、ぎっくり腰とか咳に悩まされた。

体調管理もっとしっかりしないと。

 

「プライベート」

2015年も娘の日々の成長に、凄く刺激をもらっていました。

娘の成長に負けたくないな。

 

 

2016年に向けて 

 

2012年は、未来なんてわからないというエントリーから

2013年は、出会いと可能性の拡大について

2014年は、 weak tiesとTipping pointの話題から

2015年は、風姿花伝の話からはじめていました。

 

2016年は、「バック・トゥ・ザ・フューチャーの話からはじめたいと思います。

別に、STAR WARSでもいいんですけども。

 

年末恒例の未来予測に関する記事がたくさん出てました。

 

日本のVCが予想する2016年のスタートアップ・トレンド(前編) | TechCrunch Japan

日本のVCが予想する2016年のスタートアップ・トレンド(後編) | TechCrunch Japan

 

これを見ていて、ふと思い出したのが、バック・トゥ・ザ・フューチャー」だったんです。

ちょうど、2015年がバック・トゥ・ザ・フューチャー PART2」のマーティとドクが30年前の過去から未来にくるという設定があって、フィーバーしたことは記憶に新しいかと思います。

 

このニュース見て懐かしいなーとか思ってたんだけど、よくよく考えると凄い示唆があるんですよね。

 

「これは最高の発明品でしょうね。スマートフォンって言うんですけど」と説明。ドクはスマホを手にし、「携帯できるコンピューターということか。これがあれば我々物理学者は……」と難しい語りに入るのだが、ジミーが、「いや、みんなお互いにニコニコ絵文字を送り合うとか、そんなことしかしませんけどね」と 言い、ジミーがスマホに入れているコンテンツで、ドクとゴチャゴチャともみ合う。

 

スマホは確かに未来的なんだけど、その日常の用途って別に未来的じゃないというかある意味過去から見るとくだらないと思えることなんですよね。

凄い技術で、全然凄くないことをしてるというんでしょうか?

2016年はわからないけど、今から30年後も同じなんじゃないかなとふと思ったんです。

 

未来的なものはほとんど実現しないんだけど、真にイノベーティブなものは、日常に溶け込みすぎて、超くだらないことに使われてる。

それほどまでに、日常に溶け込めるかどうかというのが重要なんじゃないかなと思ったんです。

 

別の切り口で、そんなことを説明してくれていたのがこの記事でした。

濱口 未来予測というのは当たらないものなんですよ。ぼくが子どものころに描いた未来の絵なんか、何ひとつ実現 していません。空中のチューブの中を走る車とか、ボタンひとつで夕飯をつくってくれる調理器具とか。でも、その絵のなかで1点だけ、ちょっとおもしろいこ とになっている部分がありました。友だちと遠くにいても「応答、応答」って話せる機械を描いてたんです。

ちきりん おお、それはスマホですね。

濱口 一対一だけでなく、世界中の人に連絡がとれるし、動画まで見られるんですよ。これは何を意味しているかというと、未来は一気に実現しなくて、ある1点の割れ目が広がっていくものだ、ということです。

ちきりん その割れ目というのが、車でも調理器具でもなくスマートフォン、情報通信の部分だったと。

濱口 それがぼくの未来観。全体ですごいものではなく、「もしかするとこれかも?」というちっちゃいものが、将来大きな割れ目になるかもしれない。そう思いながらぼくはコンセプト作りの仕事をしているんです。

 

この割れ目という表現がとてもユニークだなと思ったんです。

一点から拡がっていって、そこが世界を変えると。

で、この記事の中で、とても面白い思考法が紹介されていました。

 

濱口 ぼくは画期的な商品を設計するときは、かならずバイアスモデルをつくって、それを破壊する方向でユニークな1歩を設計します。

ちきりん 具体的には、どうやってバイアスを壊すんですか?

濱口 方法はいろいろあるのですが、1つは情報が少ない状態で考え始めることですね。

 

情報が少ない方が、物事の本質的な部分で考え始める。

情報が多いと、整理することに力がかかってしまうけれど、情報が少なければ本質を考えざるをえない。

なるほどなーと思いました。

 

バイアスを壊すということは、おそらく

「何言ってるのか、意味がよくわからない」

というものとか

「うーん、ちょっと気持ち悪いな」

と思うことが、日常に溶け込む瞬間を描くということなんだろうなと思ったんです。

 

もし、今バック・トゥ・ザ・フューチャー」をリメイクすると想定した時に、どんな未来を描くのか?と想定すると意外と新しい発想が出てこないというか、最近のアニメや映画に描かれているものの組み合わせになってしまうんですよね。

 

気をつけなければいけないのは、その組み合わせの中のシーンのどこか一部や一点がそれを凌駕するほどの勢いで割れ目をつくり、そこだけが突出して未来になるということなんです。

 

その一点を見逃さないようにしたいなと、

できるならその未来の割れ目を自分たちの手で生み出したいなと、

そう思っています。

2016年も、どうぞ宜しくお願い致します。

 

 

 

※ちなみにSTAR WARSは、今から40年前に描かれた脚本で、

それが、今も違和感なくくっついて、しかも登場人物までつながってと、驚異的な未来を実現しちゃってたわけです

すげえよ マジすごいっす

ルーカス先輩