スタートアップと大企業の新規事業の違い
スタートアップしてみてどうですか?
と聞かれることが多い。
特に大企業の新規事業部門で働く人からよく聞かれます。
率直にいうと仕事の上では、大差がないというのが事実です。
やるべきことをやり、
結果を残す
以上
それは新規事業部門というか、すべての仕事人に通じるところだと思います。
なので、本人的には会社員をしていた時と全く変わらずに仕事毎日楽しいなーと思って働いております。
ただ、違いを述べよという点でいうと大きな違いが一個だけあります。
「スタートアップは働く当事者のビジネスで、新規事業は会社のビジネスである」
という点です。
このオーナーの差はめちゃくちゃ大きいです。
大企業の新規事業部門というのは、大抵難しいジレンマを抱えます。
・既存の事業とのバッティング
・エース人材を当てられるかどうか?
・本業がピンチになった場合の調整弁化しがち
・ガバナンススタイルが参入市場にフィットしない
・人材のケーパビリティが全然違う
もう無限大にあげれそうな、あるあるネタですが
これらは全て会社のビジネスであるという点に帰属する問題です。
一方、スタートアップというのは基本的に吹けば飛ぶほど脆弱です。
お金、人、ありとあらゆるリソースがありません。
ただし、このビジネスは参加してる人のものです。
むろん創業者もそうですが、ストックオプションなどで従業員とそのビジネスの行く末のリンケージはとても強いです。
そうじゃなくても、立ち上げ当初のスタートアップにおいて参画してくれる従業員ほど影響力の大きい存在はありません。
だって、一緒に汗かいて働いてくれなかったらビジネスが大きくなるはずがないですよね。
口では言わないかもしれないけど、スタートアップの経営者において一緒に働いてるメンバーの方が、特にアーリーステージにおいては株主より圧倒的に重要です。
そんな影響力を持つメンバーやそれを支援してくれるVC、弁護士、会計士、監査法人などの外部ステークホルダーの応援も当然です。
利害が一致する人々がチームをつくってイノベーションに取り組むわけです。
このチームをつくっていく行為を資本政策と言ったりするんだと思います。
一方、企業内の新規事業のメリットは2つあります。
アセットが使える点+その事業がなくなっても異動すればすむ点
ただ、注意しなければいけないのはアセットです。
・営業チャネルが使える
・データが使える
・トラフィックが使える
などが考えられますが、これが意外と落とし穴で
・なかなか営業チャネルは、思ったように動かない
・なかなかデータが使えない
・なかなかトラフィックが使えない
のが普通だからです。
既存事業の制約条件に左右されるアセットなので当然です。
そこで大切なことは、
「そのビジネスの成功に本当に必要なものはなにか?」
を考えて行くことだと思います。
その観点から見たときに
「あなたのビジネスは誰がやっているべきビジネスですか?」
という問いが重要なクエスチョンなんじゃないかなと考えています。
これに、
明確に答えられるスタートアップはイグジットの方向性が見えてくる気がしますし、
明確に答えられる新規事業は、少なくとも位置づけがクリアで余計な気苦労が減る
んだと思います。
もし、あまりクリアに答えられない場合はもう少しその事業について知る必要がある
かもしれませんね。
「あなたのビジネスは誰がやっているべきビジネスですか?」