sudoken Blog

Kaizen PlatformのCEOのブログです

シリーズBで$8Mの調達をしました

本日リリースしましたが、Kaizen PlatformはシリーズBで$8Mの資金調達を実施しました。(詳細は、こちら

 

今回ご一緒させて頂く投資家の皆様、並びに既存投資家の皆様、改めて宜しくお願い致します。

そして、お客様、パートナーの皆様、グロースハッカーの皆様、今回の資金調達でさらなるプロダクトの強化を実施してまいりますので、ぜひご期待頂ければと思います。

そして、何よりも一緒に仕事をしてくれている仲間の日々の積み重ねに心から感謝したいと思います。

いただいた期待をさらなる成長へ変えていきたいと思っています。

 

さて、スタートアップにはドラマが沢山あります。

今回の資金調達にも沢山のドラマがありました。

笑ったり、泣いたり、眠れない日々があったり・・・

ただ、改めて考えさせられたのは、なぜ自分はこの事業をやりたいのか?という、ある意味、原点に立ち返っていくような、そんなことでした。

 

Kaizen Platformは、A/Bテストをクラウドソーシングで手間なく簡単にしたいということから始まりました。

ただ、はじめてみるとそれは奥が自分たち自身が想像していたよりもはるかに奥が深いプロセスでした。

 

デジタル時代の経営はオープンソース的になる

 

昨年の末にKaizenのブログに書かれた記事がKaizenの創業当時に考えていたことを思い出すきっかけになりました。

jp-blog.kaizenplatform.com

 

会社をつくった時に、これからの経営において重要なキーワードになるなと思っていたのは、

  •  Plan(計画)よりも、Execution(実行)に価値がシフト
  •  実行の源泉はidea、個人のideaこそが価値の源泉に
  •  ゆえに人的資本は、時間の拘束から才能の活用へ

ということでした。

 

何をするか?より、どうそれを実行するか?が価値を左右する時代。

MicrosoftAppleGoogleAmazonFacebook、そしてAirBnBやUberが今台頭してきてますが、変化の激しいデジタルの時代において大切なのは、何をするか?という計画よりも、どう実行するか?という具体的なExecutionに相対的な価値がシフトしてきています。

 

TOYOTAやFordなど製造業やエネルギープラント、半導体など、工場などの設備投資が重要な装置産業は、計画が重要です。

長期の需要を見据えながら、何をするか?の計画にしっかり時間とお金をかけていかないと経営として大きなミスを犯してしまいます。

一方、デジタル時代の経営は、一部を除き、巨大な設備投資がかからないため計画の下流にあたる実行フェーズに価値がシフトしています。

実行する際のアイデアの重要性が相対的に増しているというわけです。

 

検索エンジンをやることよりも、それをどうやるか?

SNSをやることよりも、それをどうやるか?

ライドシェアリングをやることよりも、それをどうやるか?

が重要性を増してるわけです。

 

だからこそ、実行するフェーズで活躍する個人のアイデアこそ重要だと思ってきました。

 

そして、僕自身もKaizenをつくった時に、

・リモートワーク

・時間的な管理をしない

などにこだわってきたのは、人の創造性は管理できないと思っているからです。

 

人のアイデアや創造性を、会社は独占できません。

むしろ勝手に溢れてしまうものだから、どこかで自然と発揮してしまうものだと思うんです。

僕は、実行するアイデアこそ新しい才能だと思っています。この新しい才能は、残念ながら世界中に偏在しています。自分たちのビジネスに、すごく有効な才能は、分かりやすい形で集中していないのです。

 

自分の周囲にいるとは限らないです。

その証拠にKaizenの従業員の9割は、僕が一緒に働いたことのないメンバーです。

事実として、自分がこれまで出会うことがなかったメンバーのアイデアが実行され、今のKaizenをつくっています。

 

イデアは陳腐化しない、磨かれる

じゃあ、そのアイデアは陳腐化していくのでしょうか?

 

Kaizen Platformで年末に新しくリリースしたオファーポータルという機能がとても面白くて、年末年始にずっと見てました。

これは、「Kaizen Platform」で実施されてきたWebサイト改善事例を様々な切り口で検索でき、蓄積したデータを今後のサイト改善活動に活用できる、世界最大級のデータライブラリ機能になります。(詳細は、こちら

 

その中で、特徴的だったのが例えばエントリーフォームの改善です。
https://app.kaizenplatform.net/experiments?business_tags=&page_tags=38&goal_tags=&lang=ja&order=score_desc

 

まだ10%くらいしか検索対象になっていないにもかかわらず、これだけで60件以上も事例があって、改善回数だけで言っても100回以上あるんです。

これを見てみると、全て同じようなエントリーフォームの改善なので、基本的な考え方とか型みたいなものは共通しているものがあるんですけど、まあ違う。

それぞれ、かなり違う。

 

改善が進んでもマネのオンパレードにはならずに、それぞれのビジネスやサイトでトライアンドエラーをしながらアイデア自体が磨かれていくんだと思いました。

 

そして、この沢山の改善事例を見ていくととても面白いことに気づきました。

実は、我々の改善はCVRだけではないんです。

インストール、アクティベート、会員登録、購入、アップセル、定期購入、サブスクリプションの解約防止、回遊増・・・

ありとあらゆる多様なKPIを改善してきました。

 

インターネットビジネスでは、経営指標の全てがインターフェースとそれを通じた顧客体験(UX)によって変わります。

 

つまり、経営指標はUXによって変えることができるんです。

UXの改善は、経営に直結する経営改善に他ならないということに、自分たちがお客様とグロースハッカーの皆さんと2年半で積み上げた10000回を超える改善実績から改めて気付かされました。

 

これからの時代の経営は、オープンソース的になると最初に書いたんですけど、これからの経営はある種のオープンソースのプロジェクトのようになっていくんじゃないかと想像でき、下記のようになるんじゃないかと思っています。

 

 

これまで

これから

組織

ウォーターフォール的な機能別組織

変化を前提としたプロジェクト型組織

製造の理屈

コストの制約で沢山つくることが難しい

超沢山つくることができる

チャネルの理屈

そんなに沢山試すことができない

超沢山試すことができる

キーとなる人材

ゼネラリストを集める

超ニッチに強い専門家を適宜チームに集める

人的資本をどう活用するか?

囲い込んで独占する

イデアを出し実行してもらう

 

こういう時代において、Kaizenは何を目指しているのかを改めて考えてみました。

 

①どんなビジネスでもKPIを改善することが超重要

サイトの改善とかマーケティングとか
そういう具体的な事象ではなく、もっとマクロで、引いた目線で見ると我々は何を実現しようとしているのか?

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②そのKPIを改善するためには、トライ&エラーの回数がキーポイント

我々のデータを見ると試行錯誤の回数と成果は正比例してます。

いかに、トライ&エラーを繰り返すかが定量的なデータからも見て取れます。

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③トライ&エラーの回数を最大化するためには、自社リソースにこだわってる場合ではない

それを、最大化していくためにはリソースの制約を取っ払う必要があります。

つまり、企業の側にも新しい発想が必要になってきているんです。

いかにコラボレーションを促進するか?は経営に直結するテーマになってきています。

 

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経営をオープンソースプロジェクトのようにオープン化していくために

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自社リソースだけでなく、外部のアイデアを経営に取り込み実行していくための必要条件として

  1. KPIを可視化して、共有する
  2. 課題を誰もが設定できる
  3. 解決策をたくさん考え、トライアンドエラーをたくさん回す
  4. 4得られた成果を共有する

 

それを実行することで得られる3つのメリット

  • SPEED↑(実行のスピードが上がる)
  • SCALE↑(実行の量や規模を拡大していくことができる)
  • RISK↓(固定費を抑えながら、成果を上げることができる)

 

 

新しい時代の働き方の創造

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そんなことを、考えていて現時点で僕が辿り着いた結論は、「Kaizenが実現しようとしているのは新しい時代の経営基盤をつくり、新しい働き方を拡げることじゃないか?」ということです。

 

新しい働き方を実現するためには、企業が変わらないといけません。

ただ残念ながら、企業そのものの変化は大分遅れています。

今のままでもやっていけるからです。

ただ、我々が立っている土俵は違います。

UXを改善していくためのキーはコラボレーションです。

Kaizen Platformは、すべてを機械学習人工知能に任せるマーケティングオートメーションの姿ではなく、いろんな才能をオーケストラのように統合しながら、その間で人間ではなく自動で実施すべきことをシステムが支援していくマーケティングオーケストレーションのためのインフラになりたいと思っています。

 

小さなアイデアをいかに集めていくか?いかにすぐ試してみるか?

コラボレーションなしには、実現しなかった成果が山のようにあります。

いつか、こうなるという未来ではなくて、すでに、我々はその兆しを実績として、たくさん積み上げてきました。

 

新しい時代の経営基盤を関わっていただいている皆様と一緒に作り上げていくことで
個人のアイデアが大きく経営を変える、そんな世界を創っていきたいと考えています。    

 

我々自身が改善者でありたい

Kaizen Platformのメンバーを知っている方は、よく動物園とか、ジュラシックパークみたいだと言われます。

もちろん褒め言葉だと受け止めています。

 

もともとKaizen Platformは組織からはみ出す人材を好んで採用してきました。

そして、起業した時から「リモートワーク」や「時間や場所にとらわれない働き方」を自分たちでも重視し、実践してきました。

社内には創業以来、連綿と大事にしてきた言葉や発言があり、積み重ねてきた毎日の行動や意思決定があります。

 

その中で、Kaizenの人材マネジメントポリシーを最後にご紹介します。

「改善者であろう」

というのが我々の事業や会社の根底にあります。

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英語でImproverというと見習いとか土壌向上剤という意味がありますが、それもまたいいなと思っています。

常に改善思考を忘れずに、行動し続けて世の中を変えていく人であろうという意味で、とても大事にしています。

 

そして、これが個人が輝く時代をサポートするためにも我々自身が個人として輝き、そしてチームとして輝くために大事にしてる姿勢です。

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資金調達というタイミングは、自分たちのアイデンティティーを再確認するとても良いタイミングだと思い、メンバーが社内中に貼り出してくれました。

原点に立ち返り、新たな一歩を踏み出したい、そう思っています。

 

Kaizen Platformは、資金と心強い投資家の皆さんを得て、さらなる飛躍を目指しています。

最後になりますが、我々とビジョンを共にしてくれる優秀なメンバーを絶賛募集していますので、ご応募ご紹介をよろしくお願いいたします。

 

 

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