sudoken Blog

Kaizen PlatformのCEOのブログです

世界は落下している

もう5年くらい前、

リクルートGM(ゼネラルマネージャー)になって半年くらいした時の話。

 

組織が変わり、全ての商品企画組織を担当することになった。

別の商品のチームが加わったタイミング。

前任の組織で設計されていた計画はどう見積もっても達成できそうになかった。

 

このままいくと、組織全員達成できないという状況に追い込まれる。

マジで困ったなと思って、今IndeedでCEOをやっている出木場さんに相談しにいったことがある。

 

※出木場さんの最近の記事

日本とアメリカのエンジニアを取りまく環境の違い WIRED.jp

 

「出木場さん、新しい組織の目標がはじまった瞬間から達成できる気がしません」

 

「お前、それはGMの責任だよ メンバーを達成させていくのもGMの責任だ」

 

と一蹴されました。

 

「前任の計画がどうのこうのとか、しょぼいこと言ってんじゃねーよ」

「新しい事業つくってんだろ?成長しないでどうすんだ?」

 

と僕が弱音を吐こうとしてるところを察したように、先手をうたれてしまいました。

ぐうの音も出ないまま、黙ってると出木場さんが今でも忘れられない話をしてくれました。

 

「まあ、色々あると思うんだけどさ、最近気づいたことがあるんだよ」

 

「なんですか?」

 

「世界は、落下してるんだ」

 

「??」

 

「本来あるべき方向に向かって、世界は凄い勢いで落下してるんだ」

 

「はあ」

 

「色んな既得権益持った人たちが抵抗勢力になって邪魔するんだけど、それは重力に逆らうようなもので、あんまり意味ないんだよ だって世界が落っこちていくスピードの方が圧倒的に早いから」

 

「なるほど」

 

「だからさ、その落下する方向を俺たちは見定めて先に落下してくべきなんだよ」

 

「ほう」

 

「だってどうせ落下してくんだからさ 先に向かった方が絶対いいんだよ」

 

「なるほどなるほど」

 

「俺たちがやらなくたって誰かがやるぜ?だって、そもそも落下してるんだから」

 

 

この時、出木場さんが言いたかったことは、

小さなことを気にするよりも、もっと事業を本質的に進める方向を見定めろ!

ということだと思うんですが、僕はそれ以上に救われました。

 

新規事業なのに目先の計画にとらわれて、

それで達成できなければ全部おしまいみたいな顔してたんだと思います。

 

まあ事実、計画を達成できないというのは、そもそもイマイチなことなんだけど

もっとイマイチなことは、どうやって実現するのか?考えを尽くしていないことなんだと気付きました。

 

それと共に、僕は達成させたいがために計画の方を修正しようと内心思っていたことを恥じました。

自分の中に重力に逆らう抵抗勢力をつくるのと同じだぞ

と言われたような気がしました。

 

逆なんだ。

あるべき方向をきちんと見定めていれば、絶対成長なんてするんだ。

人より早く落下できるんだからと。

 

新しいことをやろうとすると色んな抵抗勢力とかあると思うんだけど、

一番怖いのは自分が気づかないうちにそうなってしまうことだとその時思いました。

皆色々なこと言うんだけど、どうせ世界は落下してるから時間の問題だよと。

むしろ、自分が染まらないように気をつけろ!

ある意味、超楽観的なこの言葉に何度救われたかわかりません。

 

その後も、色んな人が色んなことを言う。

正解もないし、あちらをたてれば、こちらがたたず。

まあ、なにか新しいことをはじめようとすると常に批判の対象になるし、

新しい事業は、常に賛否両論あるものです。

 

もちろん、今だってスタートアップを経営してると色んな情報が入ってくる。

でも、大事なことは誰が重力に逆らってる人なのか?

どっちがあるべき方向なのか?

を見定めることだと思っている。

 

新しいサービスをつくろうとすると、いろんな摩擦が起きる。

賛否両論巻き起こす。

だから、新しいことに取り組んでる人は色々なことを言われると思うんだけど、

皆の言うことに耳を傾けても忘れちゃいけないことがある。

 

あるべき姿はなんなのか?

 

なにせ、世界はそっちの方へ落下してるんだから。