イタリアで受けたインスピレーション
イタリアを訪れたのは素晴らしい経験だった。
天国のような景色。
死ぬ前にもう一度必ず行きたいホテルがある。
Grand Hotel Convento Di Amalfi
http://www.agoda.jp/europe/italy/amalfi/grand_hotel_convento_di_amalfi.html
切り立った崖の上にある古い修道院を改修したホテル。
トンネルを入るとエレベーターがあって、上がっていって扉が開くと目の前に水平線が見えるというドラマティックなエントランス。
水平線をのぞむテラスも花に囲まれた回廊で天国のよう。
部屋の前にテラスがあって、カウチがおいてある。
眺めはこんな感じ。
シャンパン飲みながら夕暮れを迎えるとこんな眺め。
朝陽も素敵でした。
さて、そんなイタリアからインスピレーションを受けたことがある。
イタリアでは悪質な客引きが多いと聞いていたが、実は全くといっていい程会わなかった。
もちろん、大都市ではまだ一部残っているのだろうけれど、私たちの行った観光地ではほぼ皆無に近い状態だった。
なんでだろうか?と考えながら歩いていると、かなりのレストランにフクロウのマークのシールが貼ってあることに気づいた。
よくよく考えれば、私自身も使っているTripadviserのロゴだった。
私たちも、必ずホテルのコンシェルジュに近くの美味しいレストランをリザーブしてもらうか、Tripadviserで評判のよいレストランをリザーブしてもらうことにしていた。
※イタリア語がしゃべれないので、英語のできるホテルのコンシェルジュへ色々頼むのが便利でした
ここからは、仮説に過ぎないので事実とは違うかもしれないけれどインスピレーションなので気にせず進みます。
Tripadviserが普及したことで、悪質な客引きが職を失っているとしたら?どうなるのだろうか?と思考実験をしてみた。
おそらく、この実験は無駄ではない。
なぜなら、南イタリアの小さな街でも相当数の口コミが存在しており、日本語のレビューもかなり存在する。
観光客も、iphoneを持って歩いている人が沢山いた。
店までのラストワンマイルも、Google MapとGPSを組み合わせれば、迷うことはない。
凄く便利な時代である。怖いのはバッテリー切れくらい。
インターネットは、悪質な客引きを減らしたけど逆を返せば、仕事を減らしたということになる。
効率化の裏側には、淘汰される非効率が存在する。
悪質な客引きはいなかったけど、一日中お酒を飲んでるおじさんたちが沢山いた。
彼らが、職を失ったんじゃないかと思えて仕方なかった。
世界規模で、このペースで効率化を進めるとどうなるのだろうか?
ネットは、さまざまな産業を飲み込みながら何を生み出すのだろうか?
沢山の失業者を生み出すのか?
そんなことを、思うようになった。
完全な善なんて、ほぼない。
我々が拡大する産業は、トレードオフで何を生み出すのか?
これまで考えたこともなかったが、このことから目を背けてはいけないと思った。
理解した上で、それでも前に進めたい。
そう思える、いい事業を創りたいと思うようになった。
イタリアで受けたインスピレーションは、「太陽が上っている場所があれば、同時に夜になる場所がある」その”裏側”も理解することも大事ということ。
何を意思決定しても、功罪が伴うことを忘れないでいたい。
僕らがネットビジネスを拡大することは、あの美しい街にも失業者が増えるかもしれないということだ。
天国のような景色のあの街にも。
それでも、やりたいと思える事業をやりたい。